結論から書きますと、「イマジナリーフレンドがいること自体は病気じゃない」です。
ただ、イマジナリーフレンドがいる人は感受性が豊かすぎて、日常生活から受けている刺激が強く、それが心と体のしんどさに繋がっている人が多いのではないかと考えています。
こちらの記事では、私が過去にカウンセラーと精神科医にイマジナリーフレンドについて相談した経験談を書き記しておきたいと思います。
困っている方のなにかしらの参考になりましたら幸いです。
しんどい人は専門家や医療機関に相談してくださいね。
自分の感受性の暴走をまずは落ち着かせる対処をしましょう。
イマジナリーフレンドについてカウンセラーに相談してみた
私には物心ついたときからイマジナリーフレンドがいましたが、そのことで悩み始めたのは中学生のときでした。
そもそもイマジナリーフレンドという名称も知らず、ずっと「頭の中にいる人」という形容をしていた私。
(今思うとそんなに遠くない呼び方ではあります。笑)
「頭の中でずーっとお話ししてしまうのは、これってなんか変な病気なんかな…精神科とか行った方がいいんかな…」
とは考えましたが、当時の田舎の中学生にとって、精神科に行くなんてとんでもなくハードルの高い行動だったので、実行には至らず。
初めて専門家に相談したのは、高校生のときのスクールカウンセラーでした。
当時、通信制高校とそのサポート校(通信制高校の提出レポートを補助してくれる、塾のような機関)に通っており、いうなれば「普通高校に馴染めない子たち」が多い環境だったため、週に1回、カウンセラーの先生が来ていました。
物腰の穏やかな先生で、話をよく聞いてくれる人でした。
普段はみんなで心理テストをしたり(先生がこれまたマニアックでボリュームのあるテストを持ってくるんだ。笑)、グチや悩み相談をしたりでしたが、先生にお願いをすれば一対一でしっかりとカウンセリングする時間をとってくれました。
「先生は誰にも秘密を言わないし、いつも相談を丁寧に聞いてくれる」という信頼があったので、そこで初めて専門家にカミングアウトすることができました。
先生に相談してみて、病気が疑われるようだったら素直に病院に行って治療してみよう。でも、頭の中の人たちと話すのは楽しいから、治療していなくなったら嫌だなあ…と考えていました。
先生に質問しながら、内心はバクバクしていました。
これで本当に病気だったらどうしよう、親になんて言おうかな、精神病なのかな、それとも脳みそに問題があるのかな…などなど、ぐるぐると考えながら質問を口にしたのを覚えています。
先生は同じような子を何人か見たことがあるようでした。
今振り返ると、イマジナリーフレンドという単語やその現象はご存じなかったんだと思います。(ご存じだったらその単語を教えてくれたはずなので)
ただ、今でも覚えている言葉がこちら。
病名をつけることはここではできないけれど、ひとつ言えるのは、
日常生活に支障が出てくるようなら【病気】、
そうでなければ【個性】の範疇だ。
kaworuちゃんはその感受性を音楽として昇華しているんだから、
それはとっても素晴らしいことなんだよ。
この、「日常生活に支障が出れば【病気】、そうでなければ【個性】」という考えが、今でも私の中のベースにあります。
なので、イマジナリーフレンドがいること自体は病気ではなく、イマジナリーフレンドがいるような感受性豊かな体質が、何かしらのしんどさの原因になっているのではないかと考えています。
イマジナリーフレンドについて精神科医に相談してみた
2回目に専門家に相談したのは、数年前、20代後半の頃。
体調を崩し仕事ができなくなり、心療内科に通ったときでした。
世の中の風潮が変わったこともあるでしょうし、私の価値観が変わったこともあり。
「心療内科」は「精神科」よりもハードルが低く感じ、私にとって心療内科は【心身のバランスが崩れたときに駆け込める医療機関】のひとつになっていました。
私がお世話になったクリニックは精神科医の先生の診察のみで、臨床心理士やカンセラーによるカウンセリングはなく、先生とのやりとりと薬の治療をメインにした医療機関でした。
メインは「体調の悪さの治療」だったので、薬の服用で治し、体に合った薬が見つかってからは月に1度の通院で快方に向かいました。
(現在は薬も飲まず寛解しています)
ただ、診察中に話すことといえば「前回の診察以降どんな変化があったか」「今後何に気を付けて生活すればいいか」「今回出す薬の説明」くらいで、その報告が終われば毎回雑談に突入して、ときには二人で爆笑し、笑いを引きずりながら「また来月~」と診察を終えるような通院でした。
(その雑談がカウンセリングを兼ねていたのかなぁ、とは思います。雑談の中で、どういう人となりかを見ていたり、話す表情や話題のチョイスを観察されていたり。)
そんな中で、一度精神科医の意見も聞いてみたいと思い、雑談中に質問をしたことがありました。
実は小さい頃からイマジナリーフレンドがいて、今もいるんですけど…」
さらっと言ったふうを装って、このときも内心はバクバクでした。笑
ただ、このときはイマジナリーフレンドという単語も知っていたし、それが病気ではないとも思っていたので、前回よりは恐怖感もなく。
先生の返答は案外あっさりしてました。
薬で治療するものでもないしねぇ。
僕も治すってことはやったことないしなぁ。
厳密にいえば、私が質問した「どういう現象なのか」という内容には答えてもらってはいないのですが…。笑
先生は【病気ではないので治療が必要なわけではない】ということを言っていたので、そこは自分の考えが間違っていなかったんだなぁという確信が深まりました。
病気じゃないけど、自分の感受性は守ってあげよう
今まで私が相談した、2名のカウンセラー・精神科医の先生の意見は以上の通り。
そして私の考えも、「イマジナリーフレンドがいること自体は病気ではない」、です。
ただ、記事の始めにも記載したように、イマジナリーフレンドがいる人は感受性が豊かな人が多く、その感受性の豊かさが心身のしんどさに繋がっている可能性があるのでは、と思っています。
私は思春期(中学生~二十歳くらいまで)の頃、イマジナリーフレンドの言動にすごく振り回された時期がありました。
それは、今振り返れば、思春期で感受性が暴走しまくっていて、心も体もコントロールが効かない状態だったのが大いに関係していると思います。
今現在、イマジナリーフレンドの言動に自分の感性が大きく左右することはほとんどなくなり、イマジナリーフレンドが「何かを楽しむ際の心の中のお供」であったり「状況を整理したいときに相槌をうってくれる相手」になったり、比較的良い関係が維持できています。
その良い状態が作れるようになったのは、自分の感受性に真正面から向き合うようになってからです。
自分の感受性に振り回されるくらいに感受性が豊かな人は、しんどいことが多いこともあるでしょうが、その感受性の豊かさは絶対に自分の武器になります。
ひとまず、「イマジナリーフレンドがいることは病気じゃない」ということは、安心してください。
この記事が、ひとつの悩みの終わりが見えた手助けになったのなら幸いです。
今後は、「じゃあどうすれば自分の感性を自分の味方にできるのか」、ということに時間と労力を使っていけるはずです。
今後も、イマジナリーフレンドについての私の体験談と、自分の感受性への向き合い方をシェアしていけたらと思います。
それでは、また。