HSP/エンパスは現代の魔法使い


こんにちは、kaworuです。
シンガーソングライターをしたり、こうしてブログでエッセイを書いたりしています。

物心ついたときから、大人になった現在まで、
「イマジナリーフレンド」という幼児期特有の心理現象が続いており、
自分の心の動きや、感情との付き合い方を模索しています。

イマジナリーフレンドについて詳しく知りたい人はコチラを読んでみてね。

イマジナリーフレンドがいるのは病気なの?

さて、今回はHSP/エンパスのおはなしです。

以前、友人のnaccaちゃんと話しているときに、HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン/感受性が豊かすぎて困る人)の話題になりました。

naccaちゃんも、自身で曲を作って歌っている、シンガーソングライターです。
また、韓国でヴィーガンカフェを営んでいる、とても精力的な人でもあります。

私は自分をHSPだと自覚していましたが、naccaちゃんはHSPという単語を、私とのそのときの会話で初めて知り、自分もそうかもなぁ、と思ったと。

「カフェにきたお客さんが今どんな状態かがわかって、
 どんなご飯を提供したら今のその人にとって最適かがわかって、
 それを提供できるスキルが自分にあるか」
をとても考えているんだって。

そして、最近は、お客さんがどんな状態か、ぱっと見てわかるようになったって言ってた。

それを聞いて、私はぼんやりと、「HSPって現代の魔法使いだなあ…」と思いました。
今日はそんな話をさせてください。

こちらの記事は医学的な根拠に基づいておらず、著者の主観によるものです。
体や心があまりにもしんどい人は、お医者さんにかかってくださいね。
私もしんどすぎるときには、心療内科で相談にのってもらっていました。
治療のプロの手をかりることも、とっても大事です!

目次

1. 「HSP」と「エンパス」の違い
2. 「感性」と「感受性」の違い
3. 現代の魔法使い
4. HSP/エンパスは、共感を【昇華】できるようになる

「HSP」と「エンパス」の違い


まず最初に、私が考えている、「HSP」と「エンパス」の違いにつきまして。

HSPは、正式名称を
「ハイリー・センシティブ・パーソン(Highly Sensitive Person)」
といいます。

『感受性が豊かすぎる人』ですね。豊かすぎて日常生活の刺激に困ることも多々あります。
心理学分野で研究が進んでおり、病気ではなく、人間の性質の一つです。

世界では5人に1人がHSP、日本人はその割合がもっと多いともいわれています。
Wikipediaにも詳しく書いてありますし、いろんな本も出ているので、探してみるのもオススメです。

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エンパスは、HSPと同じく「共感力が高い人」のことをさしますが、
今の日本では、スピリチュアルな能力という印象が結構強いです。
人間に限らず、動物や植物の気持ちがわかるとか、オーラが見えるとか。

英語の【empathy】は「感情移入」や「共感」という日本語訳があてられています。

私が思うに、もともと「エンパシー」というのは、
ある種のコミュニケーション能力の一つな気がするのです。

「他者の立場に立ち、物事や感情を理解する能力」といいますか。

それが特別強くなると、
もしくは先天的にとても得意(むしろ自分で制御できない)となると、
特殊能力というカテゴライズに入れられてしまうのかなぁ、と。

後天的に伸ばせる能力だとも思っています。
例えば、演劇を通して、役の思想や感情を追体験してみたり、とかね。

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私がHSPとエンパスをどう区別しているかというと。
『エンパスは、HSPの特性をもっと限定的にして、スピリチュアル寄りにした』
という感じだと受け取っています。

HSPという大きな枠の中に、エンパスというカテゴリーがある、という解釈です。

私はHSPの気質が大いにあります。
エンパスの気質も、少しある、というか、制御できずにしんどかったのを、だんだん良い距離感がつかめるようになってきた、という感じです。

「感性」と「感受性」の違い


次にね、「感性」と「感受性」の違いも話しておきたいんです。

以前公開したエッセイはこちら。

「感性」と「感受性」の違いを体の感覚でつかんだ話

要約したものを少し書きますね。

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私の手持ちの辞書では、「感性」も「感受性」も同じような意味合いになっています。

『外界の印象を受け入れる能力』とか、『物を感じ取る力』とか。

感性の項目には「感受性のこと」って書いてるし、感受性の項目にも「感性のこと」って書いてるし。なんやねん。笑

あと、ネットで検索しても、いろんな人がいろんな意見を書いてます。
ほへーって思うのもあるし、そうかなぁ??って思うのもあるし。

私は、それぞれを次のように使い分けています。

感性:発信のときに使う情緒(自分の中から湧き上がってくるもの)
感受性:受信のときに使う情緒(何かの刺激を受けた時に感じたもの)

前のエッセイには、「感性・感受性があふれてしんどいときに、どうやって対処すればいいか」も書きました。
よかったら読んでみてね。

現代の魔法使い


HSP、エンパス、感受性が強い人、いろいろな言葉で述べましたが、ここから先は「HSP」に統一して書きますね。

naccaちゃんは、自分のカフェにきたお客さんがどんな状態かって、すぐわかるんだそうです。

HSPの人って、その人の調子がよさそうか、悪そうか、ってくらいは、なんとなくわかるじゃないですか。
(まぁ、HSPじゃなくても、人間そういうとこあるじゃない?なんだかんだそういう能力はみんな持ってるんだよね、それが強いか弱いかの違いなだけで。)

naccaちゃんがすごいのは、そこから、「この人にはどんなご飯を食べさせたらいいかな」って考えて、それを提供していること。
お客さんの様子を見て、「こういう味の方が好きかな…」とかいろんなことをキャッチして、ご飯を作ってるんだそうです。

それを聞いたとき、

それって魔法使いじゃん…!

って思いました。

***

私の好きな日本酒バーの店長さんも、似たようなことを言っていました。

グループ用の机はひとつしかなく、あとはすべてカウンター席というお店で、お客さんの顔を見ながらご飯とお酒を提供するお店なのですが。

大抵のお客さんは、店長のおまかせで、お酒を頼みます。

店長はスイッチが入ると、お客さんの状態がすぐわかって、その人が求めているお酒がすぐキャッチできるんだそうです。

私も今まで何回かお邪魔しましたが、選んだおつまみを頼みつつ、お酒は全部店長におまかせしたら、ハズレが全然ないんです。
全部おいしい。
「あーーー!この味好き!」っていうお酒しか飲んだことない。

その人がどんなお酒を求めてるかわかる、ってすごいです。
店内に何十種類もあるお酒の中で、そのときのベストを提供する。
ときには、お酒と何か別のものを組み合わせて、オリジナルで作っちゃったりする。
最高に素敵なお店です。

ちなみに、このお店にnaccaちゃんとも行ったことがあるのですが、あまりに幸せな気分で解放的になりすぎて、私は泣き上戸になってベソベソ泣きながら日本酒を飲んだ記憶があります。笑
なんというか、このお店に行くと、精神的なブロックがボコボコ外れるんだよね…。
すっごくパワフルなお店です。

私は、その店長さんも魔法使いだなぁと思います。
その人はHSPというより、エンパスっぽいというか。
(直接聞いたわけではないので実際は知りませんけれども!私がそう思ってるだけ。)
特殊能力の持ち主なんですよね。ほんとに魔法使いみたい。

HSP/エンパスは、共感を【昇華】できるようになる


HSPやエンパスの人は、【共感能力】【察する能力】がべらぼうに高くって、
それ故に、日常生活で困ることがいろいろある。

例えば、具合が悪い人の状態に同調してしまったり。
怒っている人の近くにいて、自分は何も悪くないのに、体が固まってしまったり。


でも、

自分と他人をきちんと区別する練習

をすれば、その共感を【昇華】することができるようになる、と思っています。

「具合が悪い人の状態を、意識していないのにキャッチしてしまって、自分も具合が悪くなる」
という能力の使い方をしていたのを、少し進化させてみる。


【自分と他人をきちんと区別する】ことができるようになると、

具合が悪い人の状態をキャッチして、
→「私とこの人は別の人間なのだから、私は具合が悪くならなくてもいい」と思えて、
→でも、具合が悪い人は今何をしてほしいかが手に取るようにわかって、
→その必要な手助けをすることができるようになったり。


私、この感覚を、医療関係のお仕事をしていたときによく使ってました。
「うわ、この患者さん、今すごく心細い思いをしてる」っていうのをキャッチして、
背中をさすったり、声をかけたり、っていうのを、
誰より先に行動できたり。

昔はよくもらいゲロするタイプだったんですけど…。笑
具合が悪い人にすぐ同調しちゃってね。
でも、最近は昔よりだいぶ減ったかな。
自分に余裕がないときは、まだまだゲロ吐きそうになるけれども。笑


あと、今私が音楽や文章を作るときに意識してやっていることは、

他人の感情や集団無意識をキャッチして
→それを文章や音楽に変化させて昇華する

ということ。

生きていたら、どうしたって、大きい感情の波が出る。
それをほったらかしにしておくと、自分の体調にまで影響が出てしまって、しんどいんですよね。

なので、意図的に、音楽や文章に変換させる。昇華させる。

大きい感情の波をエネルギーにして、世界が何か少しでも豊かになるような作品を作る。

それが、いろんな方法をとる人もいることでしょう。
誰かに話したり、絵や漫画を描いたり、踊ったり、本当にいろんなことに昇華できる。

友人のnaccaちゃんは、それを音楽と料理でやっている。
私が好きなお店の店員さんは、お酒と料理でやっている。


自分と他人の区別をしっかりとつけられるようになると、
能力のマイナス面に振り回されることが少なくなり、逆に、
大きい感情の波をエネルギーにして、美しい体験に変換することができる。

HSP/エンパスって、本当に現代の魔法使いみたいです。

***

HSPやエンパスという言葉は、今まさに日常生活に広がりつつある単語です。

確かに、その気質で生きづらいことはたくさんあるかもしれません。

それでも、そのしんどさを軽減することはできるし、
HSP/エンパスの気質を活かした生活をすることができる。

私自身も、まだまだその練習の途中です。

HSP/エンパスという言葉を知り、それが自分に当てはまると感じ、
生きづらさをどうにかしたいと、もがいている人がたくさんいると思います。

まずは、自分と他人を区別する練習をオススメします。
「このしんどさは、本当に私のものなのかな?」って自分に聞いてみるとか。
何よりも自分の体調を優先するとか。
(詳しい練習方法はこの記事に書いてみたよ)

「感性」と「感受性」の違いを体の感覚でつかんだ話

それが出来るようになってきたら、だんだんとHSP/エンパスの能力は、あなたを苦しめるものではなく、あなたを活かす能力になっていくと思います。

自分のキャッチしたものを、よりよい形に【昇華】できるようになっていきます。

HSP/エンパスは、現代の魔法使いとして、この世界により豊かさをもたらせる人たちになると、私はnaccaちゃんや店長さんを見て感じました。

私も、音楽や文章を使った、現代の魔法使いになっていきたいです。

自分の気質に困っている人が、少しでも自分が安心できる選択を選んでいけますように。
その気質を自分の長所として活かしていけますように。

おわり。